東大も資金難


 東京大学が10月12日、安田講堂で、教職員や学生を対象に、東大の今後の教育研究方針や財政状況について説明した。100人を超える人が参加した。なかでも、財政状況については、「明日の東京大学 危機に立つ財政」というタイトル。緊張感のある内容になった。 (中略)

福田理事の説明によると、政府からの運営費交付金が05年度に955億円だったのに対してどんどん下がり、10年度では857億円になっている。経費の削減も合わせて進め、この4年間で28億円を節約したという。一方で、施設の更新などは手つかずで、説明では、築後30年を超える建物は約70万平米で全体の45%にのぼり、年平均4・8万平米の老朽施設の補修のために年150億円が必要になるという。

 さらに、仮に運営費交付金が1割削減で、マイナス85億円になったとすればどうなるか。東大側が影響を試算すると、8学部・研究科の年間の運営経費にあたる▽11研究所の運営経費にあたる▽教員の約3割減に相当する▽付属病院の廃止に見合う▽学部学生の授業料をいまの年間54万円から114万円に増やさないと埋められない、ということになった。これは東大といえども財政の減額についてはかなりの危機感をもった表れだといえる。

これは・・・想像以上に厳しい数字が並びます。天下の東大ですらこんなに資金難なら、それ以外の国公立大学は更に厳しい状態でしょう。学部生の授業料が114万円になったら、優秀な学生は円高時代だったら海外に流出するでしょうね。欧米なら返済義務のない、正真正銘の奨学金制度が充実してますから。お役所体質で無駄もあるんでしょうけれども、150億円を経営努力で賄えるとも思えません。日本政府は、自国の高等教育をどうしたいんだろう?