“misleading, and of little or no practical use”

The ethics of direct-to-consumer genetic testing. The Lancet. 23 October 2010. 376(9750):1377 - 1378.
今まで「遺伝子解析でルーツをたどるアメリカ人、家系図作りを禁止する韓国人」や、「23andME社に対して、個人ゲノムサービスは医療診断機器と同等」というエントリを書いてきました。そっから更に、世界的に個人向け遺伝子検査サービスに対する規制が厳しくなりつつあるようです。
アメリカの会計検査院は、1年間に及ぶ遺伝子検査業界の調査を発表し“misleading, and of little or no practical use”(誤解を招き、実用性は皆無に近い)と厳しい評価を下しました。早晩、FDAの規制が厳しくなることが予想されます。個人向けの遺伝子検査は、髪質やハゲる確率など娯楽的要素を前面に出しつつ、アルツハイマー病など深刻な疾患のなりやすさまで大げさに表示しているのが問題になっているとか。また、集めたDNAサンプルの扱い・廃棄ポリシーすら明確になってない場合がほとんどです。
アメリカ以外ですと、ドイツでは今年2月に「ヒト遺伝学、もしくは類似分野にに特化した医師でないと、予測的遺伝子検査を実施してはいけない」という法律を通しました。イギリスでも倫理的な問題を審議しているそうです。韓国は既に遺伝子検査に基づいた家系図作りを禁止していますし、日本だけが平和ボケしてるように思えます。