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接骨院整骨院でマッサージなどを行う柔道整復師の施術について、会計検査院が約900人の患者を抽出調査したところ、6割以上で患者が申告した症状と、整復師側が医療保険で請求した内容が食い違っていたことが分かった。

 患者は、保険適用外の肩こりなどを訴えていたのに、請求では適用対象の打撲やねん挫となっていたケースが多数確認されたという。検査院は厚生労働省に対し、審査の厳格化や、請求基準を明確にするよう求める方針だ。

少し前のニュースなのですが、気になったのでメモ。肩こりは保険請求できないのに、診察名を変えて保険料申請しているという問題です。
これについては日本臨床整形外科学会のシンポジウムでも「打撲・捻挫名目で年4,000億円も払うお金が日本にあるのか」として取り上げられています。有料記事なので孫引きで引用します。

「医療費総額がこれだけ抑えられているのに,打撲と捻挫名目で請求される柔道整復の入院外医療費が年4,000億円。産婦人科や小児科の入院外医療費を超える額を払うお金が,今の日本にあるのか」―。
急増する柔道整復療養費をテーマにしたシンポジウムが11月7日,日本臨床整形外科学会の主催で,東京都で開かれた。昨年(2009年)は政府の「事業仕分け」にも取り上げられ,今年5月に算定基準が見直された柔整療養費だが,適正化は容易ではないようで,巨額の柔整療養費請求に悩む健康保険組合側から整形外科側への注文も相次いだ。

柔整療養費は産婦人科・小児科の入院外医療費を超える
「保険使えます」という街角の看板やビラの効果か,柔整にかかる療養費は2007年度推計で3,377億円に達している。2003年度の2,887億円から毎年3〜5%ずつ伸び続けた結果で,その間ほぼ横ばいの国民医療費(2007年度で34兆1,360億円)の1%程度を占めるようになっている。
 1%というとピンと来ないが,同年度の入院外医療費で見ると,3,200億円程度の小児科,1,800億円程度の産婦人科を軽く超える額だ。

 「2010年度までに4,000億円は突破しているだろう。打撲・捻挫名目で請求される柔整の療養費が,産婦人科や小児科を超えていてよいのか。そんなお金がいまの日本にあるのか」(シンポジウム座長で同学会医療システム委員会副委員長の山根敏彦氏)という状況にある。

整骨院にかかる患者は全世代ですから対象人数が多いことはさておいても「産婦人科・小児科という切迫した診察科より高額の医療費を整骨院にかけてもいいのか?」という問いに対しては、大多数の国民がNoと答えるでしょう。 柔道整復師の施術の6割以上が患者の訴えと異なる部位・症状で保険料請求されているとすると、4000億円×60%=2400億円の国家医療費が肩こり等の不当な治療に消えていることになります。そんな金があったら産科・小児科に回した方が(ry