歩行者・自転車分離 社会実験


 鳥取市などが昨年11〜12月に行った「街なか交通実験」の検証結果が26日、市内で開かれた実行委員会で報告された。

 商店街のにぎわいづくりを目的に、目抜き通りに自転車専用レーンを設けたが、通行量と商店街の売り上げがともに減少する皮肉な結果となった。

 買い物客が自転車とぶつかる心配をせずに歩けるようにと、約4600万円をかけ、車道を鋼材で区切って専用レーンを作った。歩行者と自転車の通行量は平常時に比べ、駅前通りが5%、本通りは11%それぞれ減少。9店舗の抽出調査で、売り上げは前年同期を3%下回った。

鳥取市若桜街道で、車道の一部を自転車専用道にする社会実験が行われ、その結果が公表されたようです。興味があったのでアンケートの詳細結果を見たところ、一読しただけで駄目さ加減が伝わってきました。
歩行者・自転車利用者には概ね好評だったけれど、自動車運転手と商店主には不評だった理由。それは、以下のコメントから浮かび上がってきます。

  • 一般ドライバーで最も影響があり許容できないのはバスや荷捌きなどの停車車両による影響だった。
  • タクシー運転手で最も影響があり許容できないのは、バスや荷捌きなどの停車車両による影響だった。
  • バス運転手で最も影響があり許容できないのは、いつもより車が混んだからだった。
  • 意見・コメント
    • 警備員がバス停に停める自家用車を放置している為、本線上に

停車するしかなく渋滞を助長していた。(バス運転手)

    • 空き店舗を数箇所借りて駐輪場にしてほしい。(バス運転手)
    • 実験をするにあたって、商店街には何の話もなかった。商店街でこの度の賑わい社会実験に賛成しているものは少ない。(商店主)

「商店街のにぎわいづくり」を目的にしてるのに、商店街に何の話もなかったって・・・本当でしょうか。事前の話し合いがなくて、行政から突然通達が来たのか?そんなわけないだろうに。
商店の売り上げが減ったのは、路肩が自転車専用レーンになったから、商店への荷捌きや買い物客が滞り、それが車の混雑につながったのが一番の問題でしょう。言葉を変えると、商店街が店先の公道を自分の駐車場代わりにできなくなったから、問題が一気に露見した*1ってところでしょうか。自転車は本来は車道左側を走行することになってるんですから、荷捌きトラックや買い物客の自家用車が公道に停車することが前提になった街づくりが問題の根本。それをわざわざ調査するのに4600万円もかけたんだから、鳥取市も羽振りがいいですね。その分、商店街の駐車場整備に充てたほうが有意義だったのでは?

*1:アンケートに「企業努力が足りない」ってコメントがあったんですが、商店街に対しては同意見です。郊外大型店やコンビニは駐車場を確保できる土地に開業しているのに、商店街だけ「駅前の便利な土地で開業しつつ、店舗前の公道はウチの客が一時駐車を見逃せ」っていうのは・・・ちょっと勝手だと思ってしまいます。駅前の商店街で地の利があり、アーケードを設けるなどして歩行者・自転車利用者に利便を図っているんですから、その分は自動車での買い物客を切り捨てるぐらいの覚悟じゃないと。