マトモな監視委員会と、票が欲しい大臣


 総務省の年金業務監視委員会(郷原信郎委員長)は16日、厚生労働省が今年1月から始めた専業主婦の年金切り替え忘れに対する救済策に問題点があるとして、調査を開始した。

 厚労省や当事者らの言い分も聞いた上で、総務相を通じて見直しを求める方針だ。

 救済策は、夫が転職や退職などをしたのに切り替え手続きを忘れ、国民年金の保険料が未納になっている専業主婦が対象。直近2年分に限り保険料納付を求めるものの、それ以前は保険料を納めていたとみなし、将来、基礎年金も受け取れるとした。

 しかし、これでは、手続きをきちんと行って保険料を支払った人との間に著しい不公平が生じるとして、この日の委員会では疑問視する声が相次いだ。

配偶者が退職したあと主婦が国民年金に切り替え忘れててもOKとしたニュースの続報です。年金業務監視委員会が「著しい不公平が生じる」として調査を開始したとのこと。細川律夫厚生労働相は「今の段階では厚労省の結論が一番妥当ではないか」などと寝言を口にしているようですが・・・行政側にもマトモな判断力がある組織があったんだ。
正直、第三号から国民年金に切り替え忘れた対象人数・未納期間がハッキリしないので、未納のまま救済に必要な金額がどのくらいなのか、想像もできません。でもね、このニュースを読んで救済策が実現したら、救済された主婦層(およびその旦那)以外の人たちはこう思うでしょう。
・第三号で国民年金に切り替えたマジメな主婦「なによ国民年金に切り替えて納付金を損したわ」
・自営業などで最初から国民年金に加入している夫婦「俺たちがコツコツ納付してきた年金がアホな主婦に使われるのか」
・共働きで自分の年金を納付している奥様方「自分で稼いで納付してるのに・・・納付しなくても年金もらえんの?」
・今まさに年金負担に押しつぶされそうな若者世代「俺たち散々納付しても将来年金もらえなさそうなのに、主婦は(ry」
この数多に広がる不公平感は、やがて「年金料なんて払うのバカらしいじゃん」って結論にたどり着きますよ。いや、既にだいぶそうなってるけど、これ以上未納付額が増えたら、年金支給開始年齢が先延ばしされたり、納付金が増額されるのがオチでしょう。それを防ぐには「国民年金に切り替え損ねた第三号は、配偶者の退職時にさかのぼって保険料を納付できる」とするのが一番妥当なんじゃないですか?ってか、それ以外は「切り替え忘れ期間の未納金額を、将来の受給額に反映させ減額する」っていう本来の方策しかないと思う。正直者が馬鹿をみる制度は、早晩破綻しますよ。