ワリカンに見える男女関係の難しさ


自分を魅力的と思っている男性や女性はデートでの食事の費用を払いたがらないことを示した試験結果が発表されました。
オリジナル論文→The Effect of Attractiveness on Food Sharing Preferences in Human Mating Markets. Stirrat M, Gumert M, and Perrett D. Evolutionary Psychology. 2011. 9(1): 79-91.
デート時の支払いは洋の東西を問わず社会的興味を集めているようです。日本では長引く不況を受けてか20代の恋人でワリカン率が高まっている(男54%対女46%)という調査結果が出ています。他方で女「ワリカンOK」は、二度と会いたくないサイン?といったコラムもあったり・・・実体はよくわかりませんよね。
上の論文ではイギリスとシンガポールの心理学研究者が、ワリカン問題を調査しています。調査対象は、ウェブ上のアンケートに答え、かつ生殖可能年代(20〜34歳)の男性245人、女性171人。参加者は、まず自分の魅力を1〜7スケールで回答した後、異性のモンタージュ写真12枚をランダムに見せられます。そして「この写真の人とデートすると仮定したら、食事代を支払うはどうしますか」という質問に回答してもらい、自分⇔デート相手の魅力の度合いと支払い状況(ワリカン/おごってもらいたい/おごりたい)の関連性を明らかにしています。
結果は、男女ともワリカンにする割合が一番多かったとのこと(男47%対女50%)。次に多かったのが「おごってもらいたい」(男30%対女45%)、一番少ないのが「自分がおごる」(男23%対女5%)でした。自分が魅力的だと思っている参加者は、男女の関わりなく「おごってもらいたい」という回答が多かったとのこと。これは市場原理の観点からも納得です。その代わり、デート相手が魅力的だった場合、男女で異なった反応を示しました。男性は魅力的な女性に「おごりたい」と回答し、女性は魅力的な男性に「おごってもらいたい」と回答したのです。これは「男性は生殖力の高い女性に対して資源(金銭や食料)を投資したがる。女性は、魅力的な男性から資源を受け取ることで潜在的求愛関係を樹立し、それほどでもない異性と対等な交際関係を避けたがる」と著者らは考察しています。要するに、どうでもいい異性ならワリカンでもいいよー、でも本命相手ならおごり・おごられたいというところでしょうか。見も蓋もない結論だなw