セロトニンがないと見境いなくなる

Sexual preference chemical found in mice | BBC
オリジナル論文→Molecular regulation of sexual preference revealed by genetic studies of 5-HT in the brains of male mice. Liu Y, et al. Nature. 2011. Epub online 23 March 2011.
マウスの雄は、脳内のセロトニンが受領できない個体は、雌に対する好みを全く見せなくなるそうです。いや、雌に対するというより、雄雌は関係なくなるようで、雄だけのケージに入れられても求愛コールをする確率が高くなるとか。
この傾向はセロトニンを分泌する遺伝子(TPH2)を欠損したマウスでも同様です。この系の場合は、脳内にセロトンを注入すると、雌に対する好みが復活します。このことから、マウスの雄ではセロトニンシグナル経路が異性に対する好みに深く関わっていることが証明できます。
ただし、この研究結果はあくまでマウスに関するものであり、ヒトとの関連性は全く未知である、と専門家は警告しています。マウスの求愛活動は嗅覚がメインなので、ヒトの求愛メカニズムとは異なる部分が多すぎます。実際に、同性愛者が選択的セロトニン再取り込み阻害薬SSRI)を服用した場合、性欲が減衰することはあっても性的好みが変わったという報告はないそうです。
【追記】
BioTodayにも載りましたね。でも、BBCのまとめとは若干異なるようですが・・・
脳のセロトニンを欠如した雄は雌を好む傾向を失う