現役力士が相撲協会とがっぷり四つ


大相撲の八百長問題が、新たな局面を迎えた。引退勧告を拒み、14日に日本相撲協会から解雇処分を受けた幕内・蒼国来(荒汐部屋)と十両・星風(尾車部屋)。ともに処分を不服とし、協会を相手に法的手段を講じる意向を示した。(中略)

 蒼国来は終始冷静な受け答え。協会の特別調査委員会から4度の聴取を受けたことを明らかにし、「いきなり『(関与を)認めてください』と言われた。『はい』と言えばお金(退職金)を渡します、言わなければ渡しません、とも言われた」と暴露した。八百長の相手とされる前竹縄親方(元前頭・春日錦)には「春日錦さんが何を言ったか分からないが、自分は裁判で明らかにしていきたい」とした。住居や稽古場所は荒汐親方(元小結・大豊)と相談して決めるという。

◇「証言」の信ぴょう性が争点に

 25人の関与が認定されるなど角界を揺るがす八百長問題は、法廷闘争にもつれ込むことが確実になった。最大の争点は、認定の決め手になった「証言」の信ぴょう性だ。

 特別調査委員会は、元前頭・春日錦ら関与を認めた3人のうち2人以上から具体的で詳細な証言を得られ、加えて映像で確認が取れた取組を八百長だと認定してきた。

 調査を指揮した村上泰弁護士は「3人が口裏を合わせていたと感じさせるところはない。信用性は、かなり丹念に調査した」と事実認定に自信を持つ。

 一方で、物証が乏しいのも事実だ。星風と蒼国来に共通するのは、ともに八百長をうかがわせる携帯電話のメール履歴に名前がない点。星風の代理人は「刑事裁判では、共犯者の自白が数々の冤罪(えんざい)を生んできた」とし、蒼国来も「関係者の供述内容は具体性を欠く」。いずれも最大の支えである3人の証言の信用性を崩しにかかってくる。

八百長問題で追加の処分を下された蒼国来と星風は、現役力士ながら裁判で相撲協会と争うそうです。他の関取は引退届を出さないと師匠に迷惑がかかるし、退職金も貰えないということで涙を飲みつつ引き下がりましたが・・・この2力士には頑張ってほしい。相撲ファンとしても、密室に近い特別調査委員会の「認定」の根拠を、法定でつまびらかにして欲しいです。クロ力士を土俵に上げるのも反対ですが、シロ力士を冤罪で角界追放するのも同じぐらい反対だ。