太くて長いかけ合わせ


 太くて短い大根と細くて長い大根を掛け合わせたらどうなるの――。

 そんな素朴な疑問から、鹿児島県内の高校生の研究グループが、世界一大きな桜島大根と長さ世界一とされる守口大根を交配し、桜島大根と比べて重さ約1・4倍、長さ約1・7倍の巨大な大根を収穫した。生徒たちは「桜守(おうもり)大根」と名付け、新たな世界一を目指して研究を重ねている。(中略)

 研究のきっかけは2008年10月に錦江湾高で開かれた科学講演会。「大根は多様性に富む。例えば、桜島大根と守口大根を掛け合わせたらどうなるでしょう」。植物生殖遺伝分野が専門の大学教授の提案に、生物研究部の生徒たちが飛びついた。

 文部科学省が支援する学校の枠を超えた研究共同体(コンソーシアム)事業の指定を受け、昨年3月、それぞれの大根を交配して種を採取。最初に研究を始めた生徒たちの卒業後、後輩4人が引き継ぎ、農場がある山川高の生徒たちの協力も得て栽培にこぎつけた。2日おきに成長記録をつけて、「おうもりちゃん」の愛称で呼びながら大切に育てたという。

 錦江湾高生物研究部顧問の讃岐斉教諭は「雑種の1代目だけ優れた性質が現れる『雑種強勢』の可能性もあり、さらなる研究が必要」と指摘。生徒たちは今後、細胞を分析し、巨大化したメカニズムを調べるという。

世界一大きな大根である櫻島大根と、2m近くまで細長く成長する守口大根のかけ合わせ。でき上がった物は、長さ・重さともメガトン級にして、味もおいしいそうです。面白い研究だけれど、提案者は植物遺伝学の教授か・・・高校生自身がこのアイディアを思いつけたら最高だったのに。