人類が光合成に一歩近づいた


 光合成で太陽光が植物中の水を分解して酸素や電子を発生させるメカニズムを、神谷信夫大阪市立大教授と沈建仁岡山大教授の研究グループが世界で初めて解明した。英科学誌ネイチャー電子版に18日、発表した。(中略)
 研究グループは、ラン藻からたんぱく質の集合体を採取して結晶化させ、特殊なエックス線を照射して解析。マンガンやカルシウムの原子から成る中心部の立体構造が判明し、そこに結合した水から酸素や電子が発生することを突き止めた。
 神谷教授によると、今後このたんぱく質と同じ働きをする触媒が開発されれば、光と水のみを材料として燃料電池などの電気エネルギーに変換できるという。
 沈教授は「触媒を人工的に作るのは難しいが、実現すれば従来の太陽光発電などを飛躍的に上回るエネルギー量が期待できる」としている。
オリジナル論文→Crystal structure of oxygen-evolving photosystem II at a resolution of 1.9 Å. Umena Y, Kawakami K ,Shen JR, and Kamiya N. Nature. Epub online 17 April 2011.
おおお、葉緑体を持つ生物にだけ許された光合成の謎が、ついにヒトの目の前に明らかになりました。光と水と二酸化炭素があれば無尽蔵にエネルギーを作り出せるようになれば・・・ 原発より更にクリーンな発電手段を手に入れることになります。実用化は難しいかもしれませんが、こうやって1つずつ謎が解き明かされていくことが大事。それにしても大阪市大と岡山大は大金星ですね。