偏頭痛遺伝子?


片頭痛は、高頻度に見られる異質性の高い神経疾患で、神経科外来患者の最大20%が罹患しており、男性より女性の患者数が多い。

今回、M Schuerksらは、地域住民を対象とした研究における片頭痛を訴える5122人の女性と片頭痛を訴えていない1万8103人の女性を対象として、普通型片頭痛のゲノムワイド関連解析を行ったことを報告している。その結果、片頭痛に対する感受性に関連する3つのゲノム領域が同定され、そのうちの2つは、非片頭痛性頭痛と比べて、片頭痛に特異的だった。そして男性と女性の両方を対象とした再現解析では、3つのうちの1つのゲノム領域が、女性との関連がより強いことがわかった。ここでの候補遺伝子の1つであるTRPM8は、ニューロンで発現し、痛みのセンサーがコードされている。もう1つの候補遺伝子であるLRP1は、細胞外環境と神経伝達物質経路の感知に関与している。

オリジナル論文→Genome-wide association study reveals three susceptibility loci for common migraine in the general population. Chasman DI, et al. Nature Genetics. Epub online 12 June 2011.
偏頭痛患者5,122人、偏頭痛持ちじゃない健常人18,108人を比較して、3つの候補多型を絞り込んだという論文です。実感として、偏頭痛は家系があって遺伝してるし、女性の方が患者が多いのですから、関連遺伝子があるんでしょう。しかし、これだけでNature Geneticsに載るんだ・・・アブストしか読めないからわかりませんが、フル論文を読まないと分からないような、すばらしい解析手法でもあるんでしょうか。